犬の義足について:作り方・種類・費用・製作会社の基本情報

「愛犬が事故や病気で足を失い、歩けなくなってしまった…」

家族同然でもあるペットがこのような状態になるのは辛いですが、誰でも起こり得る可能性のあること。そんな時、“希望の光”となるのが、<犬用の義足・義肢>です。

このページでは『犬用の義足』はどうやって作るの?どこに頼めば良いの?費用はどのくらいかかる?など《犬の義足》についての情報を分かりやすくまとめました。また、エリア別に義足製作所も紹介しているので合わせて参考にしてください。

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犬の義足・義肢はどうやって作られる?主な流れ

まず初めに犬の義足(義肢とも言います)が、どのような過程を経て作られるのか?主な流れをざっくりと見ていきましょう。製作所によって多少流れは異なりますが、だいたいの流れを知ってください。

1.義足を検討していることを獣医師と製作所に相談する

義足を検討していて愛犬がご病気や事故などでこれから脚を切断しないといけないのなら、まず獣医師と脚の切断部分についてよく相談してください。犬の脚を切断する場合は股関節から切断することが多いそうです。

これは脚が残っているとその脚を使って歩こうとするため、逆に残した脚を傷つけてしまう恐れがあるからだそうです。しかし、義足を使う場合は股関節で脚を切断した場合、義足の装着が難しく、また義足に力を伝えるのも難しくなります。

これから脚の切断を行うのなら、愛犬に義足を検討していることを獣医師に伝え、切断場所の相談をしましょう。犬の症状によっては股関節から切断しないといけない場合もあるかもしれませんが、脚が残せるのならなるべく残したほうが義足を装着して歩きやすくなります。

犬の義足を制作している製作所も相談に乗ってくれるので、獣医師と合わせてあらかじめ製作所とも相談するのが一番です。すでに脚を切断してしまっているのなら主治医に相談の上、製作所でカウンセリングを受けます。

動物病院によっては提携している製作所があるようです。ない場合はこの記事で紹介している製作所さんに相談してみてください。

2.製作所でカウンセリングを行う

愛犬に義足を作るとなったらまず製作所でカウンセリングをうけます。義足を製作しているところでは必ず義足のサンプルを用意しているので、こういう素材や形を使っているなど説明を受けることができます。

また、飼い主さんの希望・要望も聞いて、愛犬にとって何がベストなのかをじっくり相談しあうのが第一ステップです。

3.犬足を採寸し、模型を作る

カウンセリングが終われば、実際に犬足の採寸と型取りを行ないます。どんな犬も足のサイズはバラバラのため、また元のように歩く・走り回れるようになるために採寸と型取りが必須。

石膏が塗られているギプスを巻いて固まってから外していくことで、足の模型ができあがります。※どの製作所もだいたいカウンセリングと採寸する日は同じのところが多いです。

4.実際に作る

型取りまで済めば、実際に義足の製作です。ステップ2.でカウンセリングしたこととステップ3.で型取った見本(モデル)に合わせて、仕上げていきます。使用される素材などは、製作所はもちろん犬によっても様々です。

5.犬に装着してみる

一旦義足が完成すれば、再度製作所に来てもらって実際に犬に装着させてみます。ここでは次のステップ:微調整のために、より具体的に改善・修正個所などをチェック。

6.修正など微調整を行う

ステップ5.での装着具合を踏まえ、微調整を行なっていきます。一度で合うことは無く、2回3回と修正することがほとんど。角度やバランスなどを見ながら、最適な義足を作り上げていきます。つま先や足裏にクッションを入れたりなども、この段階で行ないます。

7.仕上げ

再び装着させて、調整・修正するところが無いかの最終チェックを行ない‥仕上げます。飼い主さんに向けて、愛犬への義足装着練習も行なうことも。ここまでが犬の義足を作る際の流れになります。

犬の義足の費用は?

犬の義足は殆どがオーダーメイドでの制作になり、犬種や脚の状態などよって変わるため値段も変動します。

プラスチックと硬いスポンジ構造の義足で130,000円〜ですので、けっして安いものではありませんね。人の義肢や装具は保険が適用されますが、犬の場合は保険がないので全て実費です。

その点を考慮すればやはり価格は安いものではないでしょう。犬の義足を制作している製作所によっては、犬の状態などを伝えれば教えてくれるところもありますので、問い合わせをしてみてください。

犬(動物)の義足・義肢・装具の扱いがある製作所

ここでは、犬の義足・義肢を製作している主要な会社やクリニックなどを紹介していきます。全国の都道府県別の犬の義足・義肢の取扱がある会社・クリニックは『犬の義足の製作所・動物病院【全国】』で紹介していますのでそちらを参考にしてください。

犬の義足・義肢を作っている製作所でも、犬の脚の状態や症状によっては義足の作成が難しい場合もあり、頼めば必ず製作してくれる!というわけではない点をご了承ください。

有限会社 野坂義肢製作所

野坂義肢
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新素材の開発、ロボット技術の発展に伴って義肢装具分野も徐々に発展してきております。すべての方々に最適なサービスを提供し喜んでいただけるよう知識と技術でサポートさせていただきます。

https://nosaka-gishi.com/company/

札幌市内にある、明治38年に設立された老舗の義肢製作所です。人間の体幹や手足(肘や靴型・足底なども)の装具を中心に、義手・義足についても患者さんそれぞれの状態・ニーズに合った最適なものを製作されています。小児用にも対応。

犬(動物)に関しては義足・義肢の他に「装具」も製作しており、ホームページの製品情報⇒画面下部:動物用義肢・装具の動画で、病気等で歩きづらくなった犬(動物)たちが元気に走り回る姿が確認できますよ。

北海道科学大学:保健医療学部・義肢装具学科

北海道大学
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HTB北海道テレビ『脚を失った犬に義足を!』

優れた義肢装具、福祉用具は利用者の人生を豊かにするだけでなく、その家族や医療従事者の負担も軽減します。日本の大学で初の義肢装具士の養成課程である本学科では、医学・福祉・工学の知識を総合して学びます。

https://nyushi.hus.ac.jp/academics/med_c/gishi/

製作所では無いですが、『脚を失った犬に義足を!』というプロジェクトが北海道にある大学の共同研究で行われ、2019年にHTB北海道テレビで放送。義足をどのように作っていくのか‥が理解しやすいので、ここでも紹介してみました。

この義肢装具学科では、義肢・装具について医学・工学・福祉の知識を総合的に学んでいる学科です。義肢装具士を養成する課程を学ぶことができる、日本で初めて設置された学科です。

リンク先のYouTubeは、HTB北海道ニュースでの動画です。義足製作に真摯に取り組む生徒と助教、そして愛犬を想う飼い主さんの姿が分かりますよ。

東洋装具医療器具製作所(代表:島田さんこと島田旭緒氏)

東洋装具
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東洋装具HP

東洋装具は大切なパートナーのために、動物の装具を研究しています。

http://www.toyosogu.com/index.html

日本で唯一の動物専門義肢装具士である島田旭緒氏が代表を務めている東洋装具。“大切なパートナーのために”という理念で、犬を含むすべてのペットに対して義足・義肢や装具(コルセット)を製作している会社ですべてオーダーメイドです。

BS朝日 アタラシイヒトで島田さんは紹介されています

テレビでも良く取り上げられるようになったので、ご存知の人も居るかもしれませんね。人間の義肢装具を応用して動物に使えないか?と、日々開発・製作に励み、30種類以上もの素材を組み合わせて最適なものを製作されています。

島田氏は、動物の義足という今までに無かった分野に義肢装具士で働く傍ら動物病院で3年間もの修業を積んだとのこと。“東洋装具の島田さん“として全国の獣医師はもちろん、ペットを愛してやまない飼い主さんからも圧倒的な信頼を得ています。

注意したいのが、東洋装具では個人からの依頼は受け付けていないということ。医療品なので、あくまでも「獣医療関係者」からの依頼のみです。頼みたい時は、まずかかりつけ医の獣医に相談してくださいね。

また、下記で紹介するみなみ野動物病院には義肢装具外来があり、島田氏がアドバイザーとしてサポートとしています。依頼したい場合はみなみ野動物病院の義肢装具外来やかかりつけの主治医に相談してみてください。

みなみ野動物病院

みなみ野動物病院

高齢化により手術が難しかったり、足を切断しなければならない時などに体の負荷を軽くする装具をオーダーメイドでご用意できます。

https://minamino-ah.com/special/

東京都八王子市にある、みなみ野動物病院では義肢装具外来にて義足についての相談を受け付けています。東洋装具の島田旭緒氏とアドバイザー契約を行なっており、この病院でまず獣医師が診察し作る処方を元に島田氏に依頼している形です。

義足・義肢の対応疾患は、椎間板ヘルニアや腫瘍・筋疾患、骨折や脱臼、切断後など適用例は多々あり幅広い症例に有効とのこと。相談は毎日可能なのでお近くの方や気になった方は電話で問い合わせてみてください。

アニマルクリニックこばやし

アニマルクリニックこばやし

病気や怪我によって生じた欠損や機能障害を義肢や装具により、その機能を補うことを目的とします。

https://www.ackobayashi.com/orthosis/

アニマルクリニックこばやしは、<予防~治療・手術~リハビリ~義肢装具まで>院内で一貫して完結できる日本で唯一の動物病院です。アメリカのコロラド州にあるOrthoPet(オルソペッツ)という世界各国へ義足を提供している義肢製作所と提携しています。

3Dプリンターや3Dスキャナーを駆使し、犬にとってのQOLも考えながら最適な義足を製作しているので安心です。その他にも整形外科や循環器科・総合医療・血液内科・リハビリテーション科などもあり、動物のあらゆる疾患に対してサポートしてくれます。

株式会社 松本義肢製作所 アニマルオルソン

アニマルオルソン

いつも傍で私たちを勇気付けてくれるそんなペットとの時間がしあわせと喜びに満ち溢れるものとなるよう願いを込めて私たちは自立支援をしています。

http://animalorthojapan.jp/

松本義肢製作所が運営するアニマルオルソンは、ペットの車椅子・コルセット・サポーター・フットウェアなどの製作から犬の義足・義肢の制作も行っています。

「いちも傍らで私たちを勇気付けてくれるそんなペットとの時間がしあわせと喜びに満ち溢れるものとなるよう願いを込めて」と自立支援を行っている会社です。

ペットの義足・車椅子以外にも犬用のソックス(肉球保護やアスファルトの暑さ対策などに使用)・マット(寝たきりになったペットのための体圧を分散するマット)などペットに優しい自社で開発・製作したオリジナルの製品なども販売しています。

ソックスやマット、コルセットなどはアニマルオルソジャパンのHPから購入することができるので、気になる方は見てみてくださいね。

犬の義足の製作所・動物病院【全国】では、この章で紹介した製作所やクリニック以外の製作所やクリニックを紹介しています。都道府県別で検索できるようになっていますので、ご参考に慣れば幸いです。

海外の3Dプリンターで作った犬の義足

3D義足で走り回るダービーくん

海外では3Dプリンターで作った犬の義足も活躍しています。上記の動画はアメリカの3D Systems社の3Dプリンティング技術で制作した犬の義足を装着して走るダービーくんです。

また、この記事でも紹介したアニマルクリニックこばやしはアメリカのOrthoPetに犬の義足を依頼、3Dプリンターで制作したものも使われています。

義足装着前:アニマルクリニックこばやし
義足装着後:アニマルクリニックこばやし

日本でも人の義肢装具は3Dプリンターで制作しているところもあります。しかし、コストや材質の問題で3Dプリンターを使用して犬の義足を制作している製作所はまだ日本にはありません。

日本の動物の義肢装具の第一人者である島田氏は犬の義足を3Dプリンターで作る慶應義塾大学が主催するプロジェクトに参加しています。日本でも犬や動物の義足・義肢が3Dプリンターで作られるようになる日は近いかもしれません。

犬の義足・義肢は、まず主治医に相談して検討を!

装具の必要性の確認と、獣医師に厳しいチェックをしていただくことで、症状に適合した装具を納めています。

引用:東洋装具

犬の義足について、作り方や製作所を紹介しました。「義足・義肢を付けてまた元通りの生活に‥」と願う場合は、まず主治医に相談してから検討するようにしてください。

製作所に自ら依頼することは決して悪いことではありませんが、本当に義足・義肢を付けるのがベストなのか?医師からの専門的意見はとても重要であり、必要だからです。

愛犬の歩行が不自由になると考えただけで胸が締め付けられますが、犬も人間と同じように老いていきます。いざとなって慌てないためにも、義足や義肢といった選択肢もあることを知っておきましょう